こんにちは!ゆうき(@yuki_adventuree)です!
ベタを飼育していく上で水換えはとても大事です。
この記事は熱帯魚ベタに適した飼育水の作り方に焦点を当てて解説していきます。
ざっくりと結論を言うと、カルキ抜きした水に塩を入れると出来上がります。
「それだけ?」と感じてしまいますが、理屈を知ると「なるほど!」となること間違い無し!
この記事を読めば、ベタに適した飼育水の作り方とその理屈(根拠)が分かるようになります。
・飼育水に塩を入れる理由
・ベタに適した理想の飼育水の作り方
※本記事では「改良品種のベタ」を対象として解説しています。
淡水魚なのになんで塩を入れるの?
ベタは淡水の熱帯魚です。
淡水には塩は入っていませんが、何故入れるのでしょうか?
実は塩を入れることで魚の体にかかる負担が減って、調子がよくなるからなんです!
「えっ?それってどういう事?」という疑問にこれから答えていきます。
まずは塩について知ろう!
まず最初に塩はナトリウムと塩素の化合物でNa(ナトリウム)Cl(塩素)と書きます。
この塩は地球上のほとんどの生物に必要なものです。
人や魚の塩分濃度は常に0.9%程度に保たれているということを覚えておいていください。
※全ての魚の塩分濃度が0.9%ではないのでご注意ください
塩を入れる理由①:塩の効果を利用する
塩の効果は防腐効果や、細菌を死滅させたり、増殖を押さえたりする効果があります。
高濃度の塩を使うことで塩の効果を最大限に発揮しているのが、梅干しや干物などの保存食です。
ベタを飼育されたことがある人なら知っているかもしれませんが、ベタの体表は他の魚と比べてあまりヌルヌルしていません。
ヌルヌルの正体は粘膜です。
粘膜の効果は、細菌から身を守ったり、他の魚や何かとぶつかったときに衝撃をやわげたりする効果があります。
ベタの体表は他の魚に比べて粘膜が薄くあまり強くないです。
そのため、ケアが必要になります。
そのケアの1つとして塩で細菌感染からベタを守るということです。
塩を入れる理由②:ベタの生まれ育った環境に近づけてあげる
ベタに塩を入れることが良いとされている理由の一つは
ベタは生まれながらにして塩分濃度の高い水で生きているためです。
「え?淡水魚なのに?」と思いますよね。私も最初はそう思いました。
ベタはタイ、インドネシア、ベトナムなど色々な産地がありますが、日本にやってくるほとんどがタイ産です。
調べてみると、このタイという国は雨季と乾季があり、しばしば干ばつが起こります。
干ばつが起きるとどうなるか?
川の水位が下がって海水が逆流してきちゃうんです。
その川から水道水を引いているため、タイの水道水は日本と比べてしょっぱい水が出てくるそうです。
このしょっぱい水道水を使っている養殖屋さんはたくさんあります。
特に個人でベタ養殖をされているところの多くはこういった水道水を使用しています。
また大きな養殖場では、ほとんどが「地下水」を使っています。
地下水も水道水と同じように海水が混ざっているので、塩分濃度が高い水になっています。
塩を入れることで、元々いたところの飼育環境に近づいてベタに優しい環境を作ってあげることができます。
塩を入れる理由③:浸透圧が関係している
高校で生物を学んだことがある人は「浸透圧」という単語を聞いたことがあるかもしれません。
この浸透圧は水の性質の1つと思ってください。
濃度の違う液体を隣り合わせにしたときに、濃度の差を小さくするために濃度の低い方から高い方へ水が移動します。
この現象を浸透圧と呼びます。
淡水の塩分濃度は0.05%以下です。
先ほどお伝えしましたが、ほとんどの魚の塩分濃度は0.9%です。
この状態だとどうなりますか?
何もしなければ、魚の体内に水がどんどん入ってきますよね。
するとどうなるでしょう?
何も調節をしなければ、細胞が水でパンパンになって破裂してしまいます。
これを防ぐために、体の調整機能を使って体内に大量に入ってくる水をおしっことして水中に出しながら生活をしています。
おしっこ垂れ流し生活です。(言い方)
では反対に、水中の塩分濃度を魚の塩分濃度に近づけるとどうなるか?
答えは体に入ってくる水の量が減って、「負担が減って体が楽になる」
つまり、体力を温存できるので調子が良くなります。
こういったことから塩を入れるんです。
塩を入れる理由④:魚が生きていく上ではミネラルが必要だから
ミネラルは塩の主成分ナトリウム以外に、マグネシウム、カルシウム、亜鉛など多くの種類が存在します。
このミネラルは生物にとって非常に重要な必須要素です。
ミネラルはアミノ酸の原料、酵素の原料、DNAの原料などで、酵素を活性化させる補酵素としての働きがあります。
酵素は地球上のあらゆる生物にとって、非常に重要な役割を持っています。
ミネラルが不足すると酵素が働かなくなり、調子を崩して病気になってしまいます。
また、ミネラル不足はバクテリアの活性を低下させ水質悪化にも繋がります。
日本の水道水は軟水でミネラルはそれほど多く含まれていません。
そのため、何もしなければ水槽内のミネラルは使われる一方で徐々に減ってしまう状態です。
エサにもミネラルが含まれていますが、消化されフンになってしまうので一時的にしか摂取できません。
そこで、塩に含まれるミネラルを水中に溶かし、常に補給できるようにしてあげようということなのです。
魚を調子の良い状態で飼育することができるため、塩を飼育水に入れる理由の1つになります。
理想の飼育水の作り方
塩を入れる理由や塩の効果が分かったところで、飼育水を作っていきましょう!
以下のものを用意して飼育水を作ります。
- カルキ抜きした水道水
- 塩(無添加or海水魚用の塩)
- マジックリーフ(アルダーシード)⬅︎なくてもOKですが、あるとベター
カルキ抜きのやり方は下の記事に詳しく書かれていますので参考にしてください。
カルキ抜きした水を用意したら「塩」を入れます。
たくさんの種類の塩が売られていますが、私が使っている塩はコレ!
使う塩は無添加(海水を天日干ししただけ)のもや、人工海水の元(海水魚用の塩)を使うようにしましょう。
そうすれば、ナトリウム以外のミネラルもしっかりと入っています!
次に塩分濃度の調整が必要です。0.05%〜0.1%の濃度になるように溶かしましょう。
具体的には、水1リットルに0.5g〜1gの塩を溶かしてあげましょう。
体感ですが、常時塩を入れて飼育する場合はこの塩分濃度がいいと思います。
最後にマジックリーフ(アルダーシード)です。
マジックリーフを入れると「タンニン」と言う成分が溶け出すため、水に黄色〜薄茶色の色がつきます。
このタンニンは抗菌作用や粘膜を保護してくれる働きがあります。
塩の効果と、タンニンの効果の相乗効果でよりベタにとって良い飼育水が出来上がります。
マジックリーフは取り出さなくてもOKですが、入れっぱなしだと水の色が濃くなるので魚を観察したり観賞しにくくなります。
飼育水の色が濃くなっても害はないので安心して下さい。
まとめ
理想の飼育水とは
- ベタの体を楽にして、体表を細菌から守ってくれる水のこと
- これを可能にするのが塩
- さらに効果を上げてくれるのが、マジックリーフ(タンニン)
今日は飼育水の作り方や塩を入れる理由について解説してきましたが、塩を入れる理由がわかると色々なことに応用ができます。
例えば、「塩浴治療」です。
治療をする目的(細菌感染を減らす、体力の回復)や仕組み(塩の効果)が理解できると思います。
このように色々と応用ができるようになります。
今日の記事が読んでいただいた人全員のアクアライフに役立てたら嬉しいです。
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